【防災×インフル・コロナ】冬の感染症対策と避難時の備え

防災

冬は寒さだけではなく、インフルエンザ や COVID‑19 のような感染症が流行する時期です。もし大きな災害が起きて避難所での避難生活を余儀なくされたとき、気温や乾燥、密集した共同生活環境により、普段以上に感染リスクが高まります。

疑問を持つ女性
疑問を持つ女性

「避難所って、寒さだけじゃなくてウイルス対策も必要なの?」

と不安に思ったことはありませんか?

私は、家族の一部が災害を経験したことがあり、「災害時に備えること」の大切さを身をもって知っています。

本記事では、災害 × 冬 × 感染症という、複合リスクに対して「家庭でもできる備え」「避難所で気をつけるべきこと」「家族で共有すべきルール」を、防災の観点から分かりやすく解説します。この記事を読めば、冬の災害でも「命」と「健康」を守るための備えが見えてきます。


1.なぜ「災害時=感染症リスク増加」になるのか?

1‑1 避難所の集団生活は感染症に弱い環境

災害によって避難所での生活を余儀なくされると、多くの人が一時的に同じ空間で生活します。屋内は密閉・密集・密接といった “三密” 状態になりやすく、さらにトイレ、炊事、生活雑貨の共有などで接触が増えます。こうした環境は、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症を広げやすくします。実際、避難所での消化器系や呼吸器系の集団感染は過去にも報告されています。 厚生労働省HP「被災地で健康子守るために」

また、災害によりライフライン(水道・電気・排水設備など)が損なわれると、手洗いや清潔な排水が確保できず、衛生環境が悪化 — これがさらに感染リスクを高める原因になります。 内閣府「防災情報のページ」

1‑2 冬は“感染”と“寒さ”のダブルリスク

冬は気温が低く、空気は乾燥しやすいため、ウイルスが空気中に長く漂いやすくなります。また、寒さで体の免疫力が下がり、風邪やインフルエンザにかかりやすい季節です。災害で避難所生活を送るとなれば、暖かさ対策と感染症対策の両立が不可欠です。

つまり、災害時のリスクは「命の危険(建物倒壊・浸水)」だけではなく、「体の健康」「ウイルス感染」という見えにくい被害も潜んでおり、冬の災害には特に注意が必要なのです。


2.避難時・冬のための「感染症&防災セット」チェックリスト

災害時に備えて、自宅や防災バッグに「冬 × 感染症対策」をプラスすることで、避難後の安心度が大きく変わります。以下は、最低限準備しておきたいアイテムリストです。

項目理由・用途
マスク(複数枚)飛沫感染防止。咳やくしゃみの多いウイルス対策に必須。
アルコール系手指消毒液 or 除菌ウェットティッシュ手洗いが難しい場合の代替。共用設備使用後・食事前などに。 厚生労働省「非常時における感染症対策」
個人用タオル・ハンカチ・ウェットタオル手洗い後や清拭用、入浴や汗拭きにも対応。
使い捨て手袋 / ゴミ袋掃除・ごみ処理・衛生管理時に役立つ。
体温計・常備薬(解熱剤、風邪薬、常用薬など)発熱・体調不良時の早期対処に。避難所での医療体制確認も必要。 厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」
替え下着・防寒具(毛布、厚手衣類、靴下など)冬場の寒さ対策。免疫力維持のためにも体温保持は重要。
個包装の非常食・飲料水共用の食事が制限される可能性を見越して、自分たちで安全な食料を確保。
携帯用消臭・除菌スプレートイレ後・共用スペース使用後の除菌に。
携帯ラジオ/懐中電灯(乾電池式)災害情報の確認、夜間の移動や避難時の安全確保に役立つ。
マグカップ・箸・スプーン等の自分用食器避難所の使い捨て食器の共用を避けるため。感染対策と衛生面で有効。

このリストを元に、ご自宅の非常持ち出し袋や防災棚を見直すことをおすすめします。


3.避難所で気をつける「生活のルール」と「行動の心得」

避難所では「自分だけ」の備えでは不十分です。家族だけでなく、避難仲間や地域全体を守るための行動が求められます。以下の点を、家族で事前に話し合っておきましょう。

3‑1 手洗い・消毒・マスクの徹底

  • 流水が使えない場合に備えて、アルコール消毒液ウェットティッシュを携帯する。 厚生労働省「災害時における感染症対策
  • 咳やくしゃみをする場合は マスクかハンカチで飛沫を抑える(咳エチケット) を徹底。
  • 共有スペースを使った後、手を洗うか消毒する習慣を家族で共有。

3‑2 換気とスペースの確保

  • 避難所では、可能であれば 窓・ドアを定期的に開けて換気。密閉空間にならないよう心がけることが重要です。
  • 寝床・居住スペースはできるだけ 家族単位で距離を確保。とくに夜間や発熱者がいる場合は配慮を。

3‑3 体調不良・異常時は速やかに申告

  • 発熱、せき、下痢・嘔吐などがあったときは、迷わず保健管理係またはスタッフに報告。早期対応での拡大防止につながります。
  • ごみ処理やトイレ使用後の消毒・手洗いを心がけ、共有部分の衛生維持に協力

3‑4 食事・水分補給・衛生管理の徹底

  • 食器やコップは できるだけ「自分専用」を持参。共用食器による感染リスクを下げる。
  • 飲料水・非常食は 個包装・密封のもの を選ぶ。避難所では物流が滞る可能性があるため備蓄は重要。
  • トイレの後は手洗い・消毒、必要に応じて使い捨て手袋を活用。

4.家庭でできる「災害前の備え」:冬も感染症も見据えて

災害発生直後からの避難に備えるだけでなく、日常から備えることで安心度は格段に高まります。

4‑1 防災バッグ・非常持ち出し袋の中身を見直す

特に冬〜春先にかけては、以下を追加・更新しておくとよいでしょう:

  • マスク(複数枚)
  • 除菌ウェットティッシュ・消毒ジェル
  • 使い捨て手袋、ゴミ袋
  • タオル・下着・防寒具(毛布、靴下、手袋など)
  • 常備薬・体温計
  • ホイッスル、携帯ラジオ、懐中電灯(水・電気停止対策)

普段使いの使いやすいバッグやリュックにまとめると、急な避難時でも迷わず持ち出せます。

4‑2 家族で「避難所生活のルール」を共有

  • 「もしものときにどう動くか」を、地震や豪雨だけではなく「感染症が流行している冬」に想定して話し合う
  • 子どもにもわかりやすく、マスク・手洗い・持ち物の意味を伝える(「ウイルスから家族を守るヒーロー」などポジティブに)
  • 妻や義理の家族など、家族以外の同居者がいる場合も含めて共有

4‑3 健康管理・予防の習慣化

  • 冬場は室内の乾燥対策(加湿)を心がけ、免疫力を維持
  • 流行期には予防接種(インフルエンザ、コロナワクチンなど)を家族で確認
  • 日常から手洗い・うがいを徹底しておくことで、災害時のリスクを下げる

5.避難所が整備されていなくてもできる「自助」の対策

近年は自然災害が頻発し、避難所にすべてを頼るだけでは安心できない場面もあります。特に冬に災害が起きたとき、次のような“自宅避難 or 車中泊”の選択肢をあらかじめ考えておくと安心です。

  • 車中泊用品:ブランケット、防寒具、携帯暖房器具(使い捨てカイロなど)、コンパクト毛布・防寒シート
  • 衛生セット:マスク、除菌シート、ウェットティッシュ、携帯トイレ、ゴミ袋
  • 食・水・調理グッズ:水の備蓄、缶詰・レトルト、カセットコンロや簡易調理セット(安全に使えるもの)
  • 情報確保:携帯ラジオ・モバイルバッテリー、手回し式ライトなど。停電に備え、情報源を確保する

災害時に、避難所という“公的支援の前提”が崩れることも想定し、自分たちで最大限対応できる体制を整えておくことが「本当の備え」です。


6.まとめ:災害×冬×感染症、備えの視点を広げよう

  • 冬の自然災害時は、「命の安全」だけでなく、「体の健康」「感染症対策」への備えも不可欠
  • 避難所は便利な避難先だが、多くの人が生活する場だからこそ、衛生管理・行動の配慮が必要
  • 防災バッグや非常持ち出し袋に、マスク・消毒液・防寒具・衛生用品などを追加しておくことで、災害後の安全性が大きく向上
  • 家族で避難時のルール・役割を話し合い、子どもにもわかりやすく伝えることが安心につながる

災害はいつ起きるかわかりません。特に寒さとウイルスの脅威が重なる冬には、「いつもの防災」に「感染症対策」をプラスしておくことで、被害を減らし、安心を守ることができます。

今年の冬は、この記事をきっかけに、あなたとご家族の「備え」を見直してみてはいかがでしょうか。

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